シンバイオティクスとは

シンバイオティクス(synbiotics)とは、

を同時に摂取すること、あるいはその両方の要素を含む食べ物・製品のことをいいます。

※シンバイオティクス(synbiotics)の”シン(syn)”とは英語の接頭語で、「同時に」、「一緒に」という意味を付け加えるものです。

要するに乳酸菌・ビフィズス菌などのプロバイオティクスとオリゴ糖・食物繊維などのプレバイオティクスを同時に摂取して、相乗効果を狙おうと考えのことです。

プロバイオティクスとは?

プロバイオティクス(probiotics)とは抗生物質(antibiotics)への批判から生まれた言葉で、ラテン語の接頭語pro(〜のために、ともに) とギリシャ語「生命」を意味する「bios」を組み合わせた学術用語です。

プロバイオティクスの定義は研究者・機関などによって異なる場合もありますが、下のどちらかの定義が用いられることが多いようです。

一般的なプロバイオティクスの定義
英国の微生物学者Fuller博士により「腸内フローラのバランスを改善することによって宿主の健康に好影響を与える生きた微生物」(1989)と定義されました。
プロバイオティクスの応用範囲が腸内環境に限られていますが、現在でもこの定義が広く受け入れられています。
食糧農業機関(FAO)及び世界保健機関(WHO)の合同専門家会議(2001年)による定義

この専門家会議でプロバイオティクスは「十分な量を投与された際に宿主に健康上の利益を与える生きた微生物」と定義されました。

 

いずれの定義でも利用される菌は『生きた菌』とされています。

シンバイオティクスとして用いられるプロバイオティクス菌も生きた菌のほうがより効果的なのかもしれません。

『生きたまま腸に届く』にはこちらにまとめました。

プロバイオティクスとして用いられる菌は次のようなものがります。

  • ビフィズス菌
  • ヒト・植物・動物・乳製品由来の乳酸菌(ラクトバチルス、フェカリスなど)
  • 酪酸菌(ヒト由来)
  • 糖化菌・納豆菌
  • 酵母
  • 麹菌

実は死んでしまった菌にも整腸作用があることは100年以上昔からわかっていました。

善玉菌の菌体自体・産生物質による良い効果はバイオジェニックスと呼ばれることもあります。

必ずしも乳酸菌などが生きたまま腸に届かなくても整腸作用を期待できることには留意しましょう。

プロバイオティクス的な要素を持つ菌はこちらでまとめました。

バイオジェニックス的な要素を持つ菌はこちらでまとめました。

プレバイオティクスとは?

プレバイオティクスは善玉菌を摂取するわけではなく、もともと腸内にいる善玉菌を活性化したり、腸の活動を改善して腸内環境を改善する食品のことを指します。

生きた菌や菌体それ自体を摂取して腸内環境を改善しようとするプロバイオティクス・バイオジェニックスとは手段は違いますが、腸内環境を改善しようという基本的な目的は同じといっていいでしょう。

プレバイオティクスは以下のような条件を満たす食品を指します。

  1. 大腸まで分解・吸収されないで到達する

  2. 大腸に住む善玉菌にとってのみの栄養源(悪玉菌のエサにはなりにくい)となり、善玉菌の増殖を促進する

  3. 大腸の腸内フローラ構成を健康的なバランスに改善し維持する

プレバイオティクスとして、

がよく知られています。

食物繊維にも不溶性食物繊維水溶性食物繊維がありますが、一般的にプレバイオティクスとして用いられるのは水溶性食物繊維のほうですね。

どのような組み合わせが良いのか?

プロバイオティクス菌は非常に多くの種類が市場に出回っています。

当サイトで紹介している善玉菌だけでも数十種類にのぼります。

どの菌にすべきか迷ったらまずは特定保健用食品または機能性表示食品の関与成分を含む製品を選ぶと良いでしょう。

代表的なプロバイオティクスを含む特定保健用食品

特定保健用食品の製品の効果には科学的根拠があり、なおかつ消費者庁の審査に合格しています。

整腸作用の研究成果がある機能性表示食品の関与成分および代表的な製品

機能性表示食品制度は2015年4月から始まった制度で、しっかりとした科学的根拠があればその効果をパッケージなどに記載することが可能になりました。

サプリメントでプロバイオティクスを摂取する

もちろんサプリメントでプロバイオティクスを摂取するのも良いですね。ヨーグルトよりも手軽にプロバイオティクスを摂取でき、費用的にも安い場合があります。

代表的な指定医薬部外品のプロバイオティクスサプリメントには、

などがあります。いずれも数十年のロングセラーで、実績豊富なプロバイオティクスサプリメントです。

日本を代表するプロバイオティクス・新ビオフェルミンS
日本を代表するプロバイオティクス・新ビオフェルミンS

ちなみに当サイトでアクセスの多いプロバイオティクスは次のようなものになります。

※ランキングは数時間おきに自動的に更新されます。

また、日本では多くのプレバイオティクスが利用されており、水溶性食物繊維オリゴ糖プロピオン酸菌産生物質など、こちらも20種類程度になると思います。

これらのプロバイオティクス・プレバイオティクスを何種類かピックアップして摂取するのがシンバイオティクスなわけですが、無数の組み合わせができてしまいますね。

ヒトの腸内環境(腸内フローラ)は十人十色で、どのプロバイオティクス・プレバイオティクスが合うかはヒトによって異なります。

まずはスーパーなどでも入手しやすい「オリゴのおかげ(特定保健用食品)」あたりとの組み合わせから、自分の腸内フローラにあったベストなシンバイオティクスの組み合わせ探しを始めるのが良いではないでしょうか。

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20年連続売上1位のオリゴ糖シロップ『オリゴのおかげ』

そもそもシンバイオティクスな製品もある

プレーンヨーグルトでは雪印メグミルク社の「ナチュレ 恵み」、タカナシ乳業のプレーンヨーグルトにもシンバイオティクスな製品があります。

個食タイプで手に入りやすいものではビヒダスの個食タイプのヨーグルトはコンビニで売っていることが多いと思います。こちらはビフィズス菌BB536株とラクチュロースのシンバイオティクスになっています。

森永乳業からは、さらにシンバイオティクスな要素が強化された毎日爽快ヨーグルトも販売が開始されたました。

メーカー・ブランドとしては日本ルナ社、セブンプレミアムの製品にはシンバイオティクスのものが比較的数多くあります。

オススメのシンバイオティクス

  • プロバイオティクスとしての実績
  • 善玉菌の量(菌数)
  • プレバイオティクスの種類
  • 入手のしやすさ

これらを総合的に考えて、私のオススメなシンバイオティクスな製品は、

などがあげられます。

シンバイオティクス製品一覧

これまでに当サイトでレビューしてきたプロバイオティクス的要素(生きた菌が使用されている)、プレバイオティクス的要素(食物繊維やオリゴ糖など)の両方を含む製品(=シンバイオティクスな製品)をまとめました。

  • ビヒダス シンバイオティクス プロテインヨーグルト
    生きたまま腸に届く プロバイオティクス、プレバイオティクス、プロテインの3つの要素をもったヨーグルト。 ビフィズス菌BB536 イヌリン
  • ビヒダス ヨーグルト ビフィズス菌のちから
    生きたまま腸に届く ビフィズス菌BB536とミルクオリゴ糖の配合されたシンバイオティクスなヨーグルト。濃厚でおいしい。 ビフィズス菌BB536 ラクチュロース
  • ヤクルト ファイブ
    生きたまま腸に届く シロタ株の他にカルシム、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、食物繊維が配合されたプレミアムなヤクルト 乳酸菌シロタ株 ポリデキストロース
  • エビオス 整腸薬
    生きたまま腸に届く ビール酵母、ビフィズス菌、アシドフィルス菌、フェカリスの配合された善玉菌サプリメント。 ビフィズス菌, アシドフィルス菌, フェカリス菌, ビール酵母
  • カゴメ ラブレ α
    生きたまま腸に届く ラブレ菌、食物繊維、オリゴ糖が配合された乳酸菌飲料。整腸作用の期待できる機能性表示食品。 ラブレ菌 ラクチュロース
  • 生きたまま腸に届く ビフィズス菌BB536、ビフィズス菌B-3、N-アセチルグルコサミンが配合された機能性表示食品。肥満気味の方におすすめ。 ビフィズス菌BB536, ビフィズス菌B-3
  •  1日不足分の食物繊維のむヨーグルト
    生きたまま腸に届き増える ビフィズス菌LKM512と難消化性デキストリンが配合されたドリンクタイプのヨーグルト。キウイなどの果肉入り。 ビフィズス菌LKM512 難消化性デキストリン
  • 善玉菌のチカラ
    生きたまま腸に届く クレモリス菌FC株が配合された「お通じを改善する」機能性表示食品。 乳酸菌クレモリスFC株
  • 植物性乳酸菌 匠乃キムチ(たくみのキムチ)
    生きたまま腸に届く 植物性乳酸菌Q-1乳酸菌が使用されたキムチ。腸内環境の改善が期待できる機能性表示食品。   Q-1乳酸菌(TK61406)
  • ビスコ シンバイオティクス
    生きたまま腸に届く スポロ乳酸菌と食物繊維が配合されたシンバイオティクスな『ビスコ シンバイオティクス』 スポロ乳酸菌

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