昭和4年に販売が開始された「わかもと」は数回のリニューアルを経て、1962年現在の「強力わかもと」になりました。
強力わかもとに含まれる善玉菌
菌の名前 | 菌の状態 | 菌の強さ | 菌の由来 |
---|---|---|---|
アスペルギルス・オリゼーNK菌 | - | - | - |
フェカリス菌 (※乳酸菌WB2000) |
生菌 | 生きたまま腸に届く | - |
ビール酵母 | 乾燥酵母 | - | ビール醸造 |
- 胚芽に培養させたアスペルギルス・オリゼーNK菌およびその産生物質である消化酵素(アミラーゼ、プロテアーゼ)
- 生きて腸まで届く乳酸菌・フェカリス菌(胚芽に培養させたもの)
- ビール酵母
※「強力わかもと」の公式サイトではフェカリス菌となっていますが、「強力わかもと」には1962年からエンテロコッカス・フェシウムに属するWB2000という乳酸菌が使用されているとのことです。この菌はヒト由来の乳酸菌で、生きたまま腸に到達することができます。
強力わかもとはこの3つの構成要素からなります。
これら3つの機能性をすべて備えた製品といえそうです。
※胚芽とは種子の内部のやがて生長して芽になる部分のこと。食物繊維を含んでいます。
強力わかもとの成分表
27錠(成人1日量)あたり
アスペルギルス・オリゼーNK菌 培養末「小麦を含む」 |
3375.0mg |
---|---|
乳酸菌培養末 | 675.0mg |
乾燥酵母(ビール酵母) | 2490.1mg |
チアミン硫化物(ビタミンB1) | 3.4mg |
リボフラビン(ビタミンB2) | 2.0mg |
ニコチン酸アミド | 2.0mg |
1962年からビタミンB1、ビタミンB2やニコチン酸アミドも加えれています。
成分表をみると一目瞭然ですが、ビール酵母よりもアスペルギルス・オリゼーNK菌培養末と乳酸菌培養末の合計のほうが全体に占める割合が多いことがわかります。
強力わかもとは、
「ビール酵母に乳酸菌を加えた」ものではなく、
「胚芽に培養させたアスペルギルス・オリゼーNK菌培養末とフェカリス菌培養末に、ビール酵母」を加えたもの
というほうがより正確に、その正体を表していると思います。
強力わかもとの効果
強力わかもとには次の効果・効能があります。
- 胃もたれ、食欲不振、消化不良、消化不良による胃部・腹部膨満感、食べ過ぎ、胸つかえ、消化促進
- 整腸(便通を整える)、軟便、便秘、腹部膨満感
- 滋養強壮、虚弱体質、肉体疲労・病中病後・胃腸障害・栄養障害・発熱性消耗性疾患・産前産後などの場合の栄養補給
効果を強力わかもとの構成要素ごと整理すると、
- 整腸作用(フェカリス菌による作用および食物繊維による作用)
- 消化を助ける効果(アスペルギルス・オリゼーNK菌によって産生された消化酵素による作用)
- 栄養補給(ビール酵母は栄養豊富)
大きくわけてるとこれらの3つの働きが期待できます。
強力わかもとは3つの構成要素からこのような3つの作用が期待されるとされていますが、さらに細かくみていくと、効果をもたらすメカニズムは次の4つになる思います。
1.消化酵素(アスペルギルス・オリゼーNK菌の産生物質)による効果
アスペルギルス・オリゼーNK菌は、
- アミラーゼ(デンプン消化)
- プロテアーゼ(タンパク質消化)
といった消化酵素を生み出し、その消化酵素が弱った胃腸での消化を助けてくれます。
このように善玉菌によって作り出された物質による良い効果をバイオジェニックスと呼ぶことがあります。
2.生きたフェカリス菌による効果
強力わかもとに含まれるフェカリス菌は生きたまま腸に到達し、腸内環境を改善します。
生きた乳酸菌によるプロバイオティクス的な効果ですね。整腸作用はプロバイオティクスのもっとも基本的な作用です。
3.食物繊維による効果(ビール酵母菌体および胚芽由来の食物繊維)
ビール酵母の細胞壁はマンナン、グルカンの食物繊維が主成分です。
食物繊維はヒトの消化酵素などで分解されず、腸まで届いて腸内細菌のエサになり、腸内環境を改善します。
また、強力わかもとの場合は、ビール酵母菌体だけでなく、胚芽にも食物繊維が含まれています。
4.ビタミン、アミノ酸、ミネラルなどの栄養補給
ビール酵母はビタミン、アミノ酸、ミネラルが豊富に含まれており、昔から栄養補給薬として用いられてきました。
強力わかもとの副作用は?
善玉菌のサプリメントは基本的には副作用がないのですが、公式サイトによると
独自に開発した消化酵素を生み出す麹菌、アスペルギルス・オリゼーNK菌(黄麹菌)を胚芽に固体培養でつくられた安全性の高い胚芽麹ですが、発疹・発赤・ かゆみ等のアレルギー症状を起こしたことがある人は、医師又は薬剤師に相談して使用してください。
とのことです。
副作用というよりもアレルギーに関する注意書きといった感じですね。
乳酸菌WB2000株の効果
ちなみに、WB2000には整腸作用以外にも次のような効果が確認されています。(「強力わかもと」を摂取しても効果の保証はありませんが)
口臭原因菌(歯周病菌)の増殖を抑制
WB2000乳酸菌と口臭原因菌を同時に培養すると口臭原因菌の増殖が抑制されました。
虫歯菌を抑制
ミュータンス菌などの虫歯の原因になる菌によるバイオフィルム形成を抑制します。
歯垢の歯への付着状態を改善します。
ドライアイ改善
ドライアイのマウスを使った実験では涙液の減少を抑制することがわかりました。
この効果は加熱殺菌されたWB2000ではなくなってしまうとのことです。
強力わかもとは太るのか?
強力わかもとは錠剤タイプのサプリメントですのでカロリーは低く、それ自体では太らないはずです。
胃弱の方は強力わかもとによって腸内フローラが改善し、それに伴って消化・吸収も改善されれば体重が増加する可能性はあると思われます。
それとは逆に肥満気味の方は腸内フローラの改善により、太りにくい体質になれる可能性もあるかと思われます。
というのは、クロストリジウムなどのファーミキューテス門の菌が増えると食事からのエネルギー吸収率があがり太りやすくなるという研究成果あり、ビフィズス菌の勢力を増やしてクロストリジウムなどの悪玉菌の割合を減少させれば太りにくい健康的な体質になれる可能性があるからです。
腸内フローラは体重にも影響するわけですね。
まとめ
強力わかもとは、
- 消化酵素(アミラーゼ、プロテアーゼ)
- 生きて腸まで届くプロバイオティクスの乳酸菌(フェカリス菌)
- 食物繊維(ビール酵母菌体および胚芽由来)
- ビール酵母由来のビタミン、アミノ酸、ミネラル(1962年からビタミンB1、ビタミンB2やニコチン酸アミドも強化されている)
これら4つの要素をまとめて摂取したい方にオススメのサプリメントです。
この4つの要素をすべて含んでいるサプリは強力わかもとの他にはないかもしれませんね。
強力わかもとを摂取するタイミングとしてはやはり食後が良さそうですね。
食後は胃酸が薄まり、プロバイオティクス菌の腸への生きたままの到達する確率が高まります。
摂取の仕方としては強力わかもとに含まれるWB2000株は口内で活躍してくれる乳酸菌のようなですので、噛んで食べたり、舐めて溶かしたりするのが良いような気もしますが、あまりおいしくないのでオススメはできませんね。
添付されている説明文書をよく読んで、適切に摂取しましょう。