乳酸菌・ビフィズス菌には「免疫賦活作用=免疫力強化作用」があるということは世間一般でも知られるようになってきました。
免疫力の中でも特に注目されるのはNK細胞(ナチュラルキラー細胞)です。
”自然の殺し屋”という名前のついたNK細胞は全身をパトロールし、司令官の役割をしている他の免疫細胞からの攻撃指示などを受けなくとも、がん細胞やウイルスや細菌に感染した細胞を見つけ攻撃することができます。
インフルエンザウイルスに感染した細胞を直ちに退治することにより、インフルエンザ感染症にかかりにくくすることができます。
また、健康なヒトでも毎日3000~6000個の細胞がガン化していると言われています。
NK細胞などの免疫細胞がこれらをただちに攻撃してくれるためにガン細胞を抑制することができるのです。
ナチュラルキラー細胞を活性化するヨーグルトはどれか?
2019年現在、パッケージや公式サイトで堂々と「この製品を食べればNK細胞が活性化します!」と宣伝している市販のヨーグルトはありません。そんなことをすれば薬機法(薬事法)違反になってしまいます。
(今後は「特定保健用食品」や「機能性表示食品」制度を利用してそういった製品がでてくるかもしれません。)
そこで私達、消費者はメーカーなどから発表されている「菌の研究成果」を見て、NK細胞を活性化してくれる”かもしれない”ヨーグルトを選ぶことになります。
毎日毎日続ける必要性がある
NK細胞を活性化してくれる”かもしれない”ヨーグルトを食べたとしても、食べた途端にNK細胞が急激に活性化するわけではありません。
たとえばNK細胞を活性する効果を持つR-1乳酸菌やラブレ乳酸菌はヒトを対象とした比較的規模の大きな実験で、インフルエンザへの効果を検証しています。(これらの実験ではNK細胞やIgA抗体などの免疫細胞が活性化した結果、インフルエンザへの感染率が下がるなどの有用な効果があると考えられています。)
そのどちら実験でも被験者の方たちに、数週間にわたって、毎日毎日、乳酸菌入りのヨーグルトを摂取してもらっています。
善玉菌の効果は良くも悪くもマイルドです。
このように数週間コツコツと毎日継続的に続けてようやく免疫強化といった効果が得られるのです。
どのくらいのヨーグルトの量・菌を食べればよいか?
各メーカーの研究を見てみると、
- 毎日食べるヨーグルトの量は100~200g
- 菌の数は数十億個
のものが多いようです。
菌の種類によってもちろんこれらの数字は変わってきますので、気になる菌があったら公表されている研究成果を見てみましょう。
NK細胞を活性化の研究成果がある善玉菌とヨーグルト
ヨーグルトでNK細胞を活性化したい!という方のために、NK細胞を活性化する「研究成果」を持つ乳酸菌・ビフィズス菌の善玉菌ごとに、これまでに当サイトでレビューしたヨーグルト・乳酸菌飲料をまとめてみました。
菌の効果は研究成果であり、菌を含む製品の効果・効能ではありません。
※医薬品、医薬部外品、特定保健用食品などの一部の製品には善玉菌による整腸作用などの保健効果がある製品があります。
キリンと小岩井によって発見された菌。善玉菌の中で唯一「プラズマサイトイド樹状細胞」を活性化でき、哺乳類の免疫力を総合的に強化することを期待できる。2012年デビュー。
ナチュラルキラー細胞を活性化させる多糖体(EPS)を産生する菌。佐賀県有田町の実験で小学生のインフルエンザ感染率を下げた研究成果によって一躍有名になった。
森永乳業が開発したビフィズス菌。多くの効果が確認され、世界30カ国以上に輸出される信頼・安心のビフィズス菌。
家森博士が長寿の多いコーカサス地方から持ち帰ったカスピ海ヨーグルトを作り出す菌。様々な効果が確認されている。家庭でも培養できる。
旧雪印乳業によって発見されたビフィズス菌。生きたまま腸に到達する。特定保健用食品の関与成分にもなっている。
植物由来の乳酸菌の代名詞的な菌。生きたまま腸に届き、免疫力強化、インフルエンザ予防なども期待できる。整腸作用から機能性表示食品の関与成分にもなった
ヤクルトが世界に誇る乳酸菌。長い歴史を持つ。整腸作用以外にも様々な効果が確認されている。もちろん特定保健用食品の関与成分になっている。
世界50カ国以上で利用される菌。腸管への付着性が強いのが特徴。免疫調整機能など多くの効果が確認されている。乳酸菌のトクホの歴史はこの菌から始まった。
ニュージーランドからやってきたビフィズス菌。ナチュラルキラー細胞の活性を2倍にするというデータもある。
森永乳業が開発したバイオジェニックス(加熱殺菌済み菌体)。インフルエンザ症状軽減作用や呼吸器や腸管での感染防御作用が期待される。