善玉菌でNK細胞活性化
善玉菌が免疫力を高めるということは世間一般に知られるようになってきましたね。
免疫細胞の中でも特にナチュラルキラー細胞を活性化する菌が注目されることが多いようです。
ナチュラルキラー細胞を活性化する乳酸菌としては、メディアで取り上げられることも多いR-1乳酸菌がもっとも知名度が高いですね。
それはインフルエンザの季節にR-1が品薄になることからも明らかです。
プロバイオティクス・バイオジェニックスとして利用されるビフィズス菌・乳酸菌には、R-1以外にもNK細胞を活性化する菌がいくつも発見され、それらの菌を含む製品は実際に店頭に並んでいます。
NK細胞(ナチュラルキラー細胞)とは
カラダのなかでは様々な免疫細胞がチームとして機能し、インフルエンザウイルスなどの外敵やガン細胞などと日々戦っています。
その中でも特に重要なのはNK細胞です。NK細胞は全身をパトロールし、司令官の役割をしている他の免疫細胞からの攻撃指示などを受けなくとも、がん細胞やウイルスや細菌に感染した細胞を見つけ攻撃することができます。
健康なヒトでも毎日3000〜6000個の細胞がガン化していると言われていますが、NK細胞などの免疫細胞がこれらをただちに攻撃してくれるためにガン細胞を抑制することができるのです。
NK細胞が活性されればとインフルエンザなどの感染症の予防なども期待できますね。
善玉菌によるNK細胞の活性化のメカニズムと菌株の例
- 乳酸菌によって活性化したプラズマサイトイド樹状細胞が、NK細胞を含む免疫細胞を総合的に活性化させる
→プラズマ乳酸菌 - インターフェロンαの産生能を高めることによってNK細胞を活性化させる
→ラブレ菌 - 乳酸菌が菌体外に作り出したEPS(菌体外多糖)がインターフェロンガンマの産生能を高め、NK細胞を活性化させる
→R-1乳酸菌 - 乳酸菌が樹状細胞を活性化させ、がインターロイキン-12の産生能を高め、NK細胞を活性化させる
→クレモリスFC株 - 乳酸菌の細胞壁そのものがマクロファージを活性化させインターロイキン-12の産生を誘導し、NK細胞を活性化させる
→プロテクト乳酸菌 - 小腸に到達したシールド乳酸菌がパイエル板を通じて免疫細胞を活性化しインターロイキン12の分泌を促進して、NK細胞を活性化させる
→シールド乳酸菌M-1
菌株によってNK細胞を活性化するメカニズムはことなりますが、多くの乳酸菌・ビフィズス菌にNK細胞の活性化作用が確認されています。
効果的な善玉菌の摂取の方法
善玉菌の作用はマイルドなので、NK細胞活性化の効果のある菌を摂取してもすぐにNK細胞がモリモリと活性化するわけではありません。
メーカーなどの研究機関でヒトを対象にした実験も行われていますが、いずれの試験でも数週間〜数カ月の期間にわたって、毎日一定量以上のヨーグルトなどを摂取してもらって、その効果を確かめています。
たとえば、R-1ヨーグルトを買ってきて”きまぐれ”で食べたとしても効果はあまり期待できません。
インフルエンザの流行期に入ってからヨーグルトや善玉菌サプリメントを摂取し始めても、それではちょっと遅いわけです。
摂取すべき量は菌によって違いますが、個食タイプのヨーグルトなら一日一つ程度、菌の数にすれば少なくとも数億〜数十億個は摂取したほうが良さそうです。
季節を問わず、日々の習慣として善玉菌を継続的に摂取しましょう。