食物繊維
第六の栄養素
食物繊維は近年、炭水化物、タンパク質、脂質、ビタミン、ミネラルの五大栄養素につぐ、「第六の栄養素」として注目されています。
食物繊維には様々な種類がありますが、その性質から大きくわけて水に溶ける水溶性食物繊維と水に溶けない不溶性食物繊維にわけることができます。それぞれ、ヒトに及ぼす生理作用に特徴があります。
厳格なプレバイオティクスの定義によると不溶性食物繊維はプレバイオティクスには含まれないとされる場合もあるようですが、一般的には不溶性食物繊維、水溶性食物繊維を2:1で摂取することが良いとされています。
厚生労働省の日本人の食事摂取基準(2015年版)では、食物繊維の目標量は、18歳以上では1日あたり男性20g以上、女性18g以上とされています。
不溶性食物繊維
水に溶けない不溶性食物繊維は腸内に蓄積され便のかさを増やし、腸内に発生した腐敗物質・有害物質の排出を促す作用があります。
水溶性食物繊維
水を含んでゲル状になる水溶性食物繊維は栄養素の吸収を穏やかにします。コレステロールや糖質の腸内からの吸収を妨げ、コレステロールや血糖の上昇を抑える効果があるものあります。
不溶性食物繊維に比べて、水溶性食物繊維は腸内細菌による発酵を受けやく、腸内環境を改善します。
腸内細菌によって分解される食物繊維
食物繊維は大腸に住む腸内細菌によって分解され、酪酸やプロピオン酸といった短鎖脂肪酸に変換されます。
短鎖脂肪酸の効果
- 腸内pHを下げ悪玉菌を抑制する働き
- 腸管バリア機能を向上させる働き
- 大腸がんの予防効果
- 免疫バランスを調整する効果
ヒトの消化酵素では分解できない食物繊維ですが、腸内細菌によって発酵・分解されてヒトが利用できるようになります。