乳酸菌・ビフィズス菌などの善玉菌による、
- 整腸作用
- 有害物質の排出
- 免疫力強化
などの様々な効果が複合的に作用し、ガンの予防につながります。
腸管には粘膜免疫の6割が集中
ヒトの腸管には粘膜免疫の60%が集中しています。
そもそも健康なヒトの健全な腸内フローラにはその粘膜免疫を強化する働きがあります。
善玉菌を摂取することによって腸内フローラを改善・強化して腸を健全に保ち、腸の免疫細胞を活性化させることがガン予防につながるといえるでしょう。
腸内環境の改善はプロバイオティクスのもっとも基本的な効果です。(→整腸作用(便秘の予防・解消)のある善玉菌)
善玉菌のガン予防のメカニズム
免疫力強化
- ガンを壊死させるTNF-αを誘導する菌
- プラズマサイトイド樹状細胞を活性化する乳酸菌
- ガン細胞を退治するNK細胞を活性化させる菌
など、免疫力を活性化する作用の確認された乳酸菌・ビフィズス菌が数多く開発されています。
健康な人でも毎日3000~6000個のガン細胞が体内にできています。通常はガン細胞ができてもNK細胞(ナチュラルキラー細胞)などの免疫細胞が直ちにガン細胞を退治してくれます。
免疫細胞を活性化させることがガン予防につながります。
乳酸菌の菌体や菌の作り出した物質にも免疫力を強化する作用が期待できるものが発見されています。(バイオジェニックス)
ガンを引き起こす物質の毒性の活性を低減させる効果
β-グルクロニダーゼ、アゾレダクターゼ、ニトロレダクターゼなどの腸内有害酵素の活性を抑制する菌があります。
発ガン性物質抑制
悪玉菌は様々な毒素を作り出します。善玉菌を増やし、悪玉菌を減らして腸内環境を改善することにより作り出される毒素を減少させることができます。
たとえば胃にはピロリ菌、大腸にはETBF菌といった炎症を引き押したり、発ガン性物質を産生する悪玉菌がいることがあります。
2014年には世界保健機関(WHO)の専門組織「国際がん研究機関」が「胃がんの8割がピロリ菌の感染が原因である」と報告しています。
プロバイオティクスによってこのようなガンにかかるリスクを低減させることができるかもしれません。
発がん性物質を吸着・排出
食べ物由来の腸内の発がん性物質(タンパク質の焦げたものなど)を菌体に吸着し、排出する作用のある菌も確認されています。
このような作用を抗変異原性と呼びます。(→抗変異原性の善玉菌)
抗酸化作用
抗酸化活性をもった物質は発ガンするすべての段階で予防効果があると予測されています。乳酸菌の中には抗酸化作用が確認されているものもあります。