乳酸菌・ビフィズス菌・納豆菌で花粉症対策
善玉菌を用いて花粉症をて改善しようとする試みは多くのメーカーや研究機関で行われています。
動物だけでなく、実際に花粉症の人に善玉菌を摂取してもらう実験も行われています。
スーパー・コンビニでよく目にする製品にも花粉症に関する「研究成果」をもつ菌が含まれています。
花粉症のメカニズム
免疫細胞の勘違い
通常スギ花粉などはにヒトとって毒ではありません。しかし私達の免疫細胞の一つであるT細胞が花粉を敵だと誤認し、Th2細胞と免疫細胞に攻撃指示をだすとB細胞がIgE抗体を作り出されます。
再び花粉がカラダに入ってきてそのIgE抗体と結びつくと肥満細胞という細胞からヒスタミンなどの物質が産生されます。そして花粉は異物と認識されて、できる限り体外に排出しようとくしゃみ・鼻水・涙などがでる症状が現れます。
T細胞という免疫細胞のバランスが重要
T細胞には①マクロファージを活性化したり、IFN−γなどの産生を誘導するTh1細胞、②IL-4、IL-5、IL-13などを産生するTh2細胞などがあります。
Th1細胞とTh2細胞は互いに抑制してバランスを保っていますが、バランスが崩れてTh2細胞が過剰に働いて抗体が多くなりすぎてしまうとアレルギー性疾患を発症してしまうことがあります
また悪玉菌が多くなった腸内ではTh2細胞が優位に働くことも知られいます。
乳酸菌・ビフィズス菌による花粉症予防・症状軽減のメカニズム
善玉菌による花粉症予防・症状軽減のメカニズムは次のようなものです。
- 腸内の悪玉菌を減少させ、その結果優位に働いているTh2細胞を抑制する
- 免疫調整作用のある善玉菌によって、Th1細胞/Th2細胞のバランスを改善する。
- アレルゲンを侵入を防ぐIgA抗体の産生を促す。
- アレルギー症状の抑制に関してとても重要な役割をする制御性T細胞を活性化
このような作用がヒトやマウスなどを対象にした実験で検証され、花粉症の予防・症状軽減につながると考えられています。
花粉症対策のヨーグルト・サプリメントの選び方
花粉症に関する研究成果のある菌を含む製品を選ぶ
善玉菌の効果はどれも同じではありません。
花粉症対策には、
- 実験の結果、アレルギー症状緩和作用が確認されている菌
- アレルギー症状改善を目的として開発された菌
このような菌を少なくとも数億〜数十億個という十分な菌の数を毎日摂ることが効果的です。
毎日続けられる製品を選ぶ
ヨーグルト・サプリメントはいわゆる「健康食品」であるため、医薬品のような即効的な効果はありません。
効果が現れるまで日数がかかります。
メーカーや研究期間の実験では数週間というスパンで花粉症の人に善玉菌を摂取してもらって、どのような効果があるかを確かめています。
毎日続けるためには入手しやすいもの、食べやすいもの、おいしいものを選びましょう。
ヨーグルトを食べ続けるのが難しい方はサプリメントは続けやすくていいですね。
効かないこともある・・・
善玉菌の効果は良くも悪くもマイルドです。ヨーグルトやサプリメントは医薬品ではないので効果が現れないこともあります。
しかしながら、花粉症が改善されなくても便秘が改善されたりと思わぬ効果があったりするかもしれませんよ。
まずは続けてみましょう。
花粉飛散カレンダー
菌を決めたら、その菌を含むヨーグルトやサプリメントを花粉の季節の数週間前から食べ続けると良いでしょう。
善玉菌で花粉症対策まとめ
- 善玉菌の効果はマイルド。抗アレルギー作用においては飲んだら次の日に効くような劇的な効果は基本的にはない
- ヨーグルトや普通の善玉菌サプリはいわゆる「健康食品」なので基本的に副作用はない(食べる人によっては”相性”はある可能性がある)
- 体質を変えるつもりで1〜2ヶ月は続けてみないと自分に合うかどうかわからない
- 多くの実験では毎日少なくとも数十億個のビフィズス菌・乳酸菌などの善玉菌、ヨーグルトなら100g程度を花粉症の人に摂取し続けてもらっている。(ある程度の菌の数は摂取しないといけない)