納豆菌
納豆菌はプロバイオティクスとして、鶏、豚の畜産や水産分野などにおいても有用な効果が確認されています。
非常に安定した芽胞を形成する納豆菌は殺菌がやっかいなほど生命力が強く、生きて人の大腸に到達することができます。
納豆菌の効果
整腸作用
糖化菌に属する納豆は生きたまま腸に到達し、腸内でビフィズス菌のエサになる成分を遊離します。
納豆菌によって産生され、遊離した成分をエネルギー源としてビフィズス菌が増加し、一方でウェルシュ菌などのクロストリジウムが減少し、腸内環境が改善されることが期待できます。
※ビフィズス菌は近年では乳酸菌とは別の菌と分類される善玉菌で、主にヒトの小腸下部から大腸に生息し、ヒトに対して様々な有益な影響を及ぼしています。
納豆菌K-2株は「お腹の調子を整える」という保健効果から特定保健用食品の関与成分になっています。
ビタミンK2を産生する
納豆菌はビタミンK2を産生します。ビタミンK2によってオステオカルシンというたんぱく質の働きが高まれば、骨の形成が促進されます。
納豆菌OUV23481はビタミンK2を多く産生し、カルシウムが骨になるのを助ける骨たんぱく質(オステオカルシン)の 働きを高める効果から特定保健用食品の関与成分になっています。
このように菌によって産生された物質による良い効果はバイオジェニックスと呼ばれることもあります。
ナットウキナーゼを産生する
納豆のネバネバには含まれる血液をサラサラにする成分であるナットウキナーゼが含まれています。
ナットウキナーゼは血栓の素のなるたんぱく質を分解します。
岐阜県高山市に住む男女約2万9千人を対象にした岐阜大の調査において、納豆を普段食べる量に応じて4つのグループにわけ脂肪リスクとの関係を調べました。
この調査では納豆を最も多く食べていたグループでは納豆をほとんど食べなかったグループに比べて、脳卒中による脂肪リスクが32%低かったとのことです。
また、心筋梗塞で亡くなるリスクも下がる傾向が確認されました。