花粉症対策に効く食べ物・食品といえば、プロバイオティクスが含まれているヨーグルトが真っ先に思い浮かぶ方もたくさんいらっしゃるのではないでしょうか。
乳酸菌・ビフィズス菌などのプロバイオティクスの免疫調整機能も免疫強化作用と同じくらい世間一般によく知られた効果といって良いと思います。
近年善玉菌の抗アレルギー効果はいろいろなメディアで取り上げられることも多いですね。
T細胞という免疫細胞のバランスが重要の乱れがアレルギーの原因
アレルギー症状の原因は免疫細胞のTh1細胞/Th2細胞のバランスの乱れが原因の一つと言われています。
Th2細胞が過剰に増え過ぎるとIgE抗体が多くなりすぎてしまい、アレルギー疾患を発症してしまうことが有ります。
また悪玉菌が多くなった腸内ではTh2細胞が優位に働くことも知られいます。
善玉菌を増やして悪玉菌を減らして腸内環境を改善することもアレルギー対策になるというわけです。
乳酸菌・ビフィズス菌による花粉症予防・症状軽減のメカニズム
ヨーグルトを食べるとなぜ花粉症対策になるのでしょうか?
答えはヨーグルトのなかにはアレルギーに関して効果・効能の確認されたプロバイオティクス(乳酸菌などの善玉菌)が配合されているものがあるからです。
善玉菌による花粉症予防・症状軽減のメカニズムは次のようなものです。
- 腸内の悪玉菌を減少させ、その結果優位に働いているTh2細胞を抑制する
- 免疫調整作用のある善玉菌によって、Th1細胞/Th2細胞のバランスを改善する。
- アレルゲンを侵入を防ぐIgA抗体の産生を促す。
- アレルギー症状の抑制に関してとても重要な役割をする制御性T細胞を活性化
このような作用がヒトやマウスなどを対象にした実験で検証され、花粉症の予防・症状軽減につながると考えられています。
花粉症を予防・改善するヨーグルトの種類はどれか?
2020年現在、商品のパッケージや公式サイトで堂々と「花粉症の症状を緩和します!」と宣伝しているヨーグルトはありません。そんなことをすれば法律(薬機法)違反になってしまい、厚生労働省からお咎めを受けることになってしまいます。
(今後は特定保健用食品や機能性表示食品の制度を利用して花粉症などのアレルギー症状改善作用があると標榜する製品がでてくるかもしれませんが。)
そんなわけで私達、消費者はメーカー・研究機関などから発表されている「善玉菌の研究成果」を見て、それを含む抗アレルギー作用・花粉症予防・改善効果がある”かもしれない”ヨーグルトを選ぶことになります。
そういったヨーグルトはいわゆる健康食品ですので効果の保証などがあるわけではありませんので留意してください。
いよいよアレルギー症状を緩和する機能性表示食品であるヨーグルトも登場してきた。
2020年初頭にハウスダストやダニよる目や鼻の不快感を緩和する機能性表示食品であるヨーグルトである乳酸菌ヘルベヨーグルトが登場しました。
その作用メカニズム的には花粉症対策にもなりそうな気がしますが、人を対象にした花粉症に対する効果などは今のところ公表されていないようです。今後の研究に期待したいところですね。
花粉症対策ヨーグルトの効果的な食べ方
花粉症を改善してくれる”かもしれない”ヨーグルトを食べたからといっても、すぐにTh1/Th2細胞のバランスが急に良くなったり、制御性T細胞が正常に機能し始めて、くしゃみや鼻詰まりなどが解消されるわけではありません。
ヨーグルトは医薬品ではなくあくまで”健康食品”ですので、基本的には即効的な効果は期待できません。
メーカー・研究機関などで行われる花粉症のヒトを対象にした乳酸菌・ビフィズス菌の研究では数週間にわたって毎日毎日、善玉菌入りのヨーグルトを食べてもらっています。
その結果、目や鼻のかゆみの改善などの効果が確認されています(※全員に効果があるわけではありません)。
つまり、該当する花粉の飛び始める数週間前から毎日、十分な量の善玉菌入のヨーグルトを食べ続ける必要があるのです。
春に花粉症が辛い方は寒い冬(1~2月)のうちからヨーグルトを食べ続けなければいけませんね。
花粉症対策で食べるヨーグルトの量や菌の数
各メーカーの研究を見てみるとヒトを対象にした実験では、
- 毎日食べるヨーグルトの量は100~200g
- 菌の数は数十億個
を被験者の方に食べてもらっているものが多いようです。
菌の種類によってもちろんこれらの数字は変わってきますので、気になる菌があったら公表されている研究成果を見てみましょう。
花粉症の方にオススメの市販のヨーグルトは?
- ヒトを対象にした実験で花粉症予防・緩和に関する研究成果が公表されていること
- そういった実験において、市販されている製品に含まれる善玉菌の菌数程度で、花粉症に対する効果が確認されていること
- 継続して食べ続けたいので入手しやすいこと
- お手軽な価格であること
- おいしいこと
これらのことを総合的に考えると、花粉症の方にオススメの市販のヨーグルトは森永乳業のビヒダスです。
ビヒダスには100gあたり20億個のビフィズス菌BB536株が含まれています。
毎日継続して、食べ続ければ花粉症が緩和されるかもしれません。
ビヒダスは特定保健用食品ですので整腸作用に関しては消費者庁のお墨付きということになります。
花粉症の方にオススメのヨーグルト・ビヒダス
※ビヒダスは整腸作用の認められた特定保健用食品ではありますが、花粉症に対する効果の保証などはありません。
アレルギー症状の予防・改善を主な目的として開発された、
- カルピス社のL-92乳酸菌
- 日清食品社のリフレクト乳酸菌
- ヤクルト社のL.プランタルム YIT0132
などの乳酸菌は花粉症改善作用に関して充実した研究成果が公表されていますが、これらの菌が配合されたヨーグルト(発酵乳)のタイプの製品は今のところ販売されていないようです。
是非ヨーグルトや乳酸菌飲料の製品もラインナップしてもらいたいところですね。
花粉症を予防・改善の研究成果がある善玉菌とヨーグルト一覧
医薬品やサプリじゃなくて、ヨーグルトで花粉症の季節の乗り切りたい!という方のために、花粉症予防・症状改善の効果持つ乳酸菌・ビフィズス菌の善玉菌ごとに、これまでに当サイトでレビューしたヨーグルト・乳酸菌飲料をまとめてみました。
菌の効果は研究成果であり、菌を含む製品の効果・効能ではありません。
※医薬品、医薬部外品、特定保健用食品などの一部の製品には善玉菌による整腸作用などの保健効果がある製品があります。
森永乳業が開発したビフィズス菌。多くの効果が確認され、世界30カ国以上に輸出される信頼・安心のビフィズス菌。
ヤクルトが世界に誇る乳酸菌。長い歴史を持つ。整腸作用以外にも様々な効果が確認されている。もちろん特定保健用食品の関与成分になっている。
世界50カ国以上で利用される菌。腸管への付着性が強いのが特徴。免疫調整機能など多くの効果が確認されている。乳酸菌のトクホの歴史はこの菌から始まった。
キリングループの発見した乳酸菌。生菌でも死菌でもアレルギー改善作用を期待できる。
タカナシ乳業によって発見された乳酸菌。ヒト由来。免疫調整機能や免疫力強化作用が期待される。