アレルギーの症状改善
アレルギーのメカニズム
細菌やウイルスが体内に侵入してた際に、T細胞という細胞が免疫部隊の司令塔を担っています。
T細胞には①マクロファージを活性化したり、IFN−γなどを産生を促すTh1細胞、②IL-4、IL-5、IL-13などを産生するTh2細胞などがあります。
Th1細胞とTh2細胞は互いに抑制してバランスを保っていますが、これらのバランスが崩れてTh2細胞が過剰に働いて抗体が多くなりすぎてしまうとアトピー性皮膚炎や気管支喘息といったアレルギー性疾患を発症してしまうことがあります。
また、悪玉菌が多くなった腸内ではTh2細胞が優位に働くことも知られています。
プロバイオティクス、バイオジェニックスによるアレルギー症状改善のメカニズム
腸内環境を改善し、悪玉菌を減少させることによって、免疫細胞を調整
悪玉菌が多くなった腸ではTh2細胞が優位に働くことがあります。その結果アレルギー症状が起こりやすくなります。
プロバイオティクスで腸内環境を改善し、悪玉菌の減少させることが過剰になってしまったTh2細胞を抑制することにつながります。
その結果、アレルギー症状の緩和を期待することができます。
Th1細胞を増強し、Th2細胞を抑制する効果
善玉菌の中には菌のカラダ自体、または菌の作り出した物質に免疫調整作用を持つものがあります。
こういった菌はTh1細胞を増強、Th2細胞を抑制して免疫細胞のバランスを改善します。
制御性T細胞の誘導・増加
近年ではアレルギーに関する研究が進み、アレルギー症状の発症に関して制御性T細胞(Tレグ)がとても重要な役割をしていることがわかってきました。
アレルギーに関する研究成果の豊富なL-92株
アレルギーのマウスを使った実験では、カルピス社のL-92株の経口投与によって制御性T細胞の誘導され、制御性T細胞が過剰なT細胞の働きを抑制することで免疫バランスを改善していることが推察されています。
インターロイキン-10を活性させる
ヤクルト社のL.プランタルム YIT0132はインターロイキン-10の産生誘導能を高め、その結果制御性T細胞を活性化されて、乱れた免疫細胞のバランスを整え、アレルギー症状を改善する働きを期待することができます。
アレルギーに関するものではありませんが、現在のところ宮入菌にはマウスを使った実験で制御性T細胞を増加させるという研究成果が公表されていますね。
腸管バリアシステムの健全化
善玉菌の働きによって腸管バリアシステムを健全に保つことで消化過程のタンパク質がカラダの中に侵入することを防ぎ、アレルギー発症の機会を減少させる効果も期待できます。
IgAの産生を促す
粘膜でアレルゲンの侵入を阻止するなどの働きをもつIgA抗体の産生を促す善玉菌もあります。
効果が実感できるまでは数週間
以上のような善玉菌の作用によりアレルギーの予防・改善が期待できます。
プロバイオティクス、バイオジェニックスは効果はマイルドなので効果が現れるまでは数週間はかかると思っておいたほうがいいでしょう。
アレルギー症状を改善する働きを持つ善玉菌の実験では、被験者のヒトに8週間以上摂取してもらっているものが多いようです。
毎日ヨーグルトを食べ続けることが難しい方は、サプリメントという選択肢もあります。