ビフィズス菌LKM512株

ビフィズス菌LKM512株

ビフィズス菌LKM512株は乳製品から見つかったビフィズス菌です。

LKM512株はヒト由来の菌ではありませんが、ヒトの腸管に吸着する能力が非常に高いことが特徴です。

ビフィズス菌LKM512株は非常にタフ

一般的にビフィズス菌は強い酸に弱いです。そのため、ビフィズス菌を耐酸性のカプセルに入れたり、摂取するタイミングを胃酸の薄まった食後30分後と推奨したり、いろいろな工夫をしてビフィズス菌を大腸に届けようとしています。

しかし、LKM512は非常に酸性に強いので空腹時の胃酸でもダメージを受けずに大腸に到達します。

酸素にも強いと思われるビフィズス菌LKM512株

ビフィズス菌は酸素に弱い菌ですが、LKM512株は比較的酸素にも強そうです。

というのも、LKM512を含む種菌がメイトーから発売されており、ヨーグルトを作る際に酸素を遮断することが難しい一般家庭でも特別な工夫なしでLKM512入りのヨーグルトを作ることができるからです。

このことからLKM512株がある程度、酸素に強いビフィズス菌であることが推測することができます。(※ビフィズス菌LKM512は一般家庭のヨーグルトメーカーでヨーグルトを作る際には増殖していないそうです。)

ヨーグルトに使用されるプロバイオティクス菌としては最強の菌かもしれませんね。

大腸に桁違いの生存率で到達し、さらに増殖する

プロバイオティクスに利用されるビフィズス菌で生きたまま腸に届くものは数多く有りますが、腸内に到達したあとにさらに増殖したり、定着率が高いという菌はごく一部です。

LKM512株は「腸に桁違いの生存率で到達し、さらに増える」ビフィズス菌なので、ビフィズス菌を増やしたい方には非常におすすめです。

(※”増殖”というのは摂取した量より、多くの菌が糞便から見つかることがあるというこです)

しかしながら、いくらLKM512株が腸に到達してさらに増えるといっても一度摂取すれば腸に永遠に定住してくれるわけではありません。

それはヒト由来のビフィズス菌だろうと動物由来のビフィズス菌だろうと、変わりません。

LKM512株も他のプロバイオティクスと同じように継続して続けることが重要です。

有用物質ポリアミンを作り出す

ポリアミンはアミノ酸の一種で動脈硬化などさまざまな疾患を抑制する効果が期待されている物質です。

ポリアミンは食事から摂取することもできますが、その大部分が小腸で吸収されてしまいます。そのため大腸でのポリアミンはそのほとんどが腸内細菌によって作られたものになります。

腸内フローラをコントロールして大腸のポリアミン濃度を一定レベルに保つことは、とても有効な健康増進法といえます。

LKM512株によって産生されたポリアミンによる効果は、菌の産生した物質による効果なのでプロバイオティクスというよりもむしろバイオジェニックスの範囲といえるのかもしれません。

(※バイオジェニックスとは善玉菌の菌体自体や菌の作り出した物質による良い効果のことを指す学術用語です。)

ビフィズス菌LKM512株の効果

免疫力強化作用

LKM512株はポリアミンを産生します。ポリアミンには免疫細胞を活性化する作用があります。

整腸作用

桁違いの生存数で腸に届き、さらに増殖するビフィズス菌LKM512には腸内環境を改善して整腸作用が期待できます。

ビフィズス菌は腸内で酢酸・乳酸などの短鎖脂肪酸を産生し、腸内を酸性に傾けて、酸性を嫌う悪玉菌を抑制します。

LKM512株はその整腸作用から特定保健用食品および機能性表示食品の関与成分にもなっています。

肌の敏感度を低減

敏感肌もしくは敏感肌の傾向がある20~50代の女性20名にビフィズス菌LKM512株を摂取してもらったところ、LK512を摂取したグループは摂取しなかったグループに比べて肌の敏感度が改善する傾向が見られました。

また、LKM512を摂取したグループではすべての被験者の糞便中にLKM512が検出されました。

アレルギー症状の予防

分解されていないタンパク質が体内に侵入することがアレルギーの原因になることがあります。

LKM512株は大腸に生きたまま届き、そこで増殖する際にポリアミンを産生します。

ポリアミンは腸管のバリア機能を高めるため、消化過程のタンパク質や微生物がカラダの中に侵入することをガードし、炎症やアレルギーの発症機会を減少させます。

(※腸管粘膜を消化液や病原性ウイルスなどから守る仕組みは『腸管アリア機能・腸管バリアシステム』など呼ばれます)

免疫バランスを反アレルギー型にシフト

免疫細胞のTh1細胞とTh2細胞のバランスが崩れ、Th2細胞が優勢になるとアレルギー症状を引き起こすことがあります。

LKM512株が産生したポリアミンが腸から吸収されることにより、Th1/Th2細胞のバランスがTh1細胞優勢の反アレルギー型になることが期待できます。

アトピーに対する効果

症状が中程度の成人型アトピー性皮膚炎患者10名に、1日100gのLKM512含有ヨーグルトを4週間食べてもらいました。

その後のアンケート結果ではLKM512を含むヨーグルトを食べることで、「かゆみ」が改善する傾向が確認されました。

大腸ガン予防

ポリアミンには損傷を受けたDNAを修復する作用があります。LKM512株は大腸でポリアミンを産生するため、大腸ガン予防に有効と考えられます。

アンチエイジング

生理食塩水を与えたマウスは皮膚に腫瘍や潰瘍の発生が多く見られましたが、LKM512株を与えたマウスに投与期間中はは腫瘍や潰瘍の発生はほとんどなく、毛並みもよく、動きも活発でした。

寿命の伸長(マウスでの実験)

マウスを使った実験ではLKM512を与えたグループではと、スペルミン(ポリアミンの一種でもっとも活性が強い)を与えたグループ、生理食塩水を与えたグループに比べて寿命が伸びることが確認されました。

スペルミンの経口投与でも一定の寿命伸長効果がありましたが、LKM512株と比較するとその効果は弱いものでした。

このことからポリアミンを直接摂取するよりも、ポリアミンを腸内で産生させたほうが効果的であることが示されました。

菌概要

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菌の効果は研究成果であり、菌を含む製品の効果・効能ではありません。

※医薬品、医薬部外品、特定保健用食品などの一部の製品には善玉菌による整腸作用などの保健効果がある製品があります。