研究の盛んなシロタ株とLGG乳酸菌にはノロウイルスに対する研究成果もあります。
一般的にプロバイオティクスの効果はマイルドなことが特徴です。
医薬品ではないので即効的な効果は期待できません。
日頃から継続的に十分な量のプロバイオティクスを摂取して腸内環境を健全に保ち、免疫細胞を活性化することができればノロウイルスに感染してもその症状を緩和することができるかもしれません。
シロタ株はノロウイルス発熱日数短縮するという研究成果
長期滞在型の高齢者向けの保健施設で、77人の高齢者(平均84歳)を対象に1ヶ月間実験が行われました。
シロタ株を飲んだグループと飲まなかったグループにはノロウイルス胃腸炎の発生率に関しては有意な差はありませんでしたが、ノロウイルス胃腸炎による37度を超える平均発熱期間はシロタ株を飲んだグループのほうが短くなりました。
シロタ株を飲んだグループはシロタ株の飲用によってビフィズス菌とラクトバチルスの両方が有意に優勢になり、腸内フローラの不均衡が是正されることによってノロウイルス胃腸炎の発熱の軽減に寄与したと考えられます。
S-903 納豆菌のノロウイルスに対する効果
ノロウイルスに感染させる3日前から7日後までマウスに「S-903 納豆菌」でつくられた納豆あるいは「S-903 納豆菌」を与えてノロウイルス量を測定し非摂取(蒸留水)の感染マウスと比較しました。
ノロウイルスは小腸に感染して腸管上皮細胞で増殖します。
実験の結果、「S-903 納豆菌」でつくられた納豆、「S-903 納豆菌」を摂取したマウスは、「S-903 納豆菌」を摂取しなかったのマウスに比べて、ノロウイルスの量が大きく抑えられていることがわかりました。
特にノロウイルス接種後の1日目・2日目のウイルス量は1/3程度に抑えられています。
この実験によって「S-903 納豆菌」にはノロウイルス発症の予防と感染後の症状を軽減する効果が期待できることが確認されました。
LGG乳酸菌の豚を対象としたノロウイルスの実験
LGG乳酸菌と大腸菌NIssle1917を高齢の豚に摂取させたところ、ヒトノロウイルスの下痢期間の平均が短くなり、ウイルス排出の平均時間も短くなりました。
これにはLGG乳酸菌と大腸菌NIssle1917によるインターフェロンγ、T細胞の応答に対する刺激、腸管IgAおよびIgGの産生の増加、健康な腸の維持が寄与したと考えられます。