日本では骨粗しょう症の患者は高齢女性を中心に年々増加し、推計では患者の数は1100万人にもなるといいます。
骨の健康を維持するには適切な量のカルシウム、ビタミンD、ビタミンKなどの栄養素をバランス良く取ることが重要です。
善玉菌やオリゴ糖などを用いて腸内環境を改善することにより、摂取したカルシウムをさらに吸収されやすくすることが期待できます。
腸内環境が酸性に傾くとカルシウムが吸収されやすくなる
腸内細菌によって乳酸、酢酸、酪酸といった短鎖脂肪酸が産生され、腸内pHが酸性に傾くとカルシウムが可溶性となって吸収されやすくなると考えられています。
どのようにして『腸内環境を酸性に傾ける』のかというと、答えは簡単で『腸内環境を改善』すれば良いのです。
一般的に『良い腸内環境』とは、
- ビフィズス菌などの善玉菌が優勢で、相対的に、有害物質などを作り出す悪玉菌の割合が少ない
- ビフィズス菌や乳酸菌によって産生された乳酸・酢酸など腸内pHが下がり、悪玉菌が抑制されている(悪玉菌は酸性の環境を好まない)
このような状態を指します。
腸内環境を改善する方法としては次のようなものがあります。
ビフィズス菌BB536株は骨粗しょう症のラットを使った実験で、BB536株とカルシウムを一緒に摂取したラットの骨の強度が上がったという研究成果があります。
また、乳果オリゴ糖は、カルシウムなどのミネラルの吸収を促進する食品として特定保健用食品(トクホの)関与成分にもなっています。
納豆菌は骨にとって重要なビタミンKを産生する
納豆菌はビタミンKを産生します。
ビタミンKはカルシウムが骨に沈着するときに必要なオステオカルシンというタンパク質を活性化させる働きがあります。
ヨーグルトは骨の強化に一石二鳥
標準的なヨーグルトは100gあたり120mgのカルシウムを含んでいます。
また、一般的にヨーグルトには整腸作用が期待できます。
ヨーグルトを摂取すればカルシウムが摂れるのと同時に、腸内環境を改善し、カルシウムが吸収されやすくなることも期待できますね。
ヨーグルトを比較的多く食べる場合は低脂肪・無脂肪タイプのものが良いでしょう。
男性 | 女性 | |
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0~5(月) 母乳栄養児 人工乳栄養児 |
200mg 300mg |
200mg 300mg |
6~11(月)母乳栄養児 人工乳栄養児 |
250mg 400mg |
250mg 400mg |
1~2(歳) | 450mg | 400mg |
3~5(歳) | 600mg | 550mg |
6~7(歳) | 600mg | 650mg |
8~9(歳) | 700mg | 800mg |
10~11(歳) | 950mg | 950mg |
12~14(歳) | 1,000mg | 850mg |
15~17(歳) | 1,100mg | 850mg |
18~29(歳) | 900mg | 700mg |
30~49(歳) | 650mg | 600mg |
50~69(歳) | 700mg | 700mg |
70以上(歳) | 750mg | 650mg |