LGG乳酸菌

乳酸菌LGG株

LGG株は1985年にヒトから発見されました。(→ヒト由来の乳酸菌

その名前は、LactobacillusのLと発見社のゴルバッハ(Gorbach)氏、ゴルディン(Goldin)氏の頭文字に由来します。

LGG乳酸菌はラクトバチルス・ラムノーサスに属する乳酸菌の一種です。

2017年4月時点でLGG乳酸菌に関する研究論文は1000報以上、臨床研究は300以上もあるという、世界でもっとも研究の盛んな乳酸菌です。

1990年から食品などに利用され始め、今では世界50カ国以上プロバイオティクスとして利用されています。

LGGは耐酸性、耐胆汁性に優れ、生きて腸に到達することのできる乳酸菌です。

LGG菌は腸管への付着性が強いのが特徴です。これはLGG菌の表面が鞭毛で覆われていることに原因しているためと考えられています。

LGG乳酸菌は乳酸菌として”初の特定保健用食品”の関与成分になった菌

LGG乳酸菌は1996年乳酸菌シロタ株ビフィズス菌BB536に先んじて乳酸菌として初めての特定保健用食品の関与成分となりました。

そして2016年、特定保健用食品『タカナシドリンクヨーグルトおなかへGG!』は20周年を迎えました。

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1996年、乳酸菌を関与成分とする初の特定保健用食品になった『ドリンクヨーグルト おなかへGG!』

LGG乳酸菌の効果

整腸作用

LGG乳酸菌は胃酸や胆汁に耐えて生きたまま腸に届き、善玉菌であるビフィズス菌を増やし、悪玉菌のクロストリジウムを減らし、腸内環境を改善して、便の質を改善したり、便の回数を増やします。

『おなかの調子を整える』という保健効果から特定保健用食品の関与成分にもなっています。

子供のアトピー性皮膚炎を予防

妊娠中にLGG乳酸菌を摂取した母親から生まれた幼児は、摂取しなかった母親から 生まれた幼児と比較すると、LGG乳酸菌を摂取しなかった母親から生まれた子供のグループのアトピー性皮膚炎の発症率は46%、LGG乳酸菌を摂取した母親から生まれた子供のグループのアトピー性皮膚炎の発症率は23%となり、LGG乳酸菌を摂取した場合にはアトピー性皮膚炎発症率が半減しました。

花粉症の症状を改善

LGG乳酸菌とTMC0356菌の混合菌を9週から10週間後摂取し続けた人は、花粉症のシーズンになっても、鼻づまりを引き起こす割合が、かなり低いことがわかりました。

LGG乳酸菌とTMC0356菌を摂取することにより、腸内細菌を多様化させ、腸内細菌のバランスを改善し宿主の免疫応答を制御することで、花粉症の症状を軽減させている可能性が考えられました。

免疫力強化

NK細胞(ナチュラルキラー細胞)を活性化して免疫力を強化する作用が確認されています(マウスでの実験)

インフルエンザに対する効果

LGG乳酸菌を14日間摂取したマウスにインフルエンザを感染させました。ウイルス摂取6日後の肺のインフルエンザウイルス数を測定したところ、LGG乳酸菌を摂取したマウスは症状が軽度の個体が多く観察され、肺中のインフルエンザの数も有為な低値を示したました。

急性の下痢の症状に対する効果

6ヶ月~6歳の129名にLGG乳酸菌を摂取するグループ(、一日2回、5日間LGG乳酸のパウダーを摂取)とプラセボを摂取するグループにわけ、「便」を比較したところ、LGGを摂取したグループは下痢から通常の便に戻るための時間が短くなったり、下痢症状になる機会がより少ないことがわかりました。

LGG乳酸菌は急性の下痢症状の期間を減少させてくれる可能性があります。

ロタウイルス感染予防

LGG乳酸菌摂取により、ロタウイルスの院内感染による下痢の発症率が減少しました。

LGG乳酸菌の豚を対象としたノロウイルスの実験

LGG乳酸菌と大腸菌NIssle1917を高齢の豚に摂取させたところ、ヒトノロウイルスの下痢期間の平均が短くなり、ウイルス排出の平均時間も短くなりました。

これにはLGG乳酸菌と大腸菌NIssle1917によるインターフェロンγ、T細胞の応答に対する刺激、腸管IgAおよびIgGの産生の増加、健康な腸の維持が寄与したと考えられます。

血清コレステロール値の低下作用

LGG凍結乾燥菌体を高コレステロールの飼料を与えたラットに与えたところ、LGG乳酸菌を与えなかったグループに比べて血清コレステロール値は有意に低い値でした。

LGG乳酸菌の菌体がコレステロールを吸着、胆汁酸に対する脱抱合性に起因する可能性が考えられます。

体脂肪を低下させる

TMC0409菌、TMC1543菌、LGG乳酸菌の3つの乳酸菌で発酵し、カルシウム、乳清タンパク質を強化した発酵乳を肥満モデルマウスに摂取させたところ、体脂肪の低下効果が確認されました。

また体重も低下も確認されました。この作用には脂肪組織における脂肪分解の促進、および脂肪合成の抑制が関与していることが明らかになっています。

炎症性腸疾患に対する効果

人為的に大腸炎を発症させたをマウスへLGG乳酸菌発酵乳投与したところ、大腸炎の発症が抑制され、腸管上皮組織のダメージが減少しました。

菌概要

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菌の効果は研究成果であり、菌を含む製品の効果・効能ではありません。

※医薬品、医薬部外品、特定保健用食品などの一部の製品には善玉菌による整腸作用などの保健効果がある製品があります。