ロイテリ菌DSM 17938株(ロイテリ菌プロテクティス)

ロイテリ菌DSM 17938株(ロイテリ菌プロテクティス)

ロイテリ菌はヒトに常在する菌の一種で、ロイテリンという抗菌物質を生産するのが特徴です。

ロイテリンはグラム陽性菌、グラム陰性菌、酵母、カビ、原生動物、ウイルスなどの生育を抑制する働きがあります。

ロイテリ菌プロテクティスはスウェーデンのバイオテクノロジー企業・バイオガイアが所有する菌です。菌株の名前はロイテリ菌『DSM 17938株』です。

この株はペルーの健康な母親の母乳から見つかったロイテリ菌 ATCC 55730株の子株にあたるようです。

2007年にロイテリ菌ATCC 55730からロイテリ菌DSM 17938株に使用される菌が変更されています。

菌が変わってもプロバイオティクスとしての特性は保持されているとのことです。

安全性・副作用

バイオガイア社のロイテリ菌は乳児、子供、成人、未熟児やHIV感染者など免疫抑制下にある場合においても安全に使うことができることが確認されています。

バイオガイア社のロイテリ菌は20億食以上の消費がなされ、世界的に多くの実績がある菌です。

副作用の報告はありません。

ロイテリ菌プロテクティスの効果

整腸作用

ロイテリ菌は腸の中でコロニーを形成し、腸の働きを助けることが分かっています。 ロイテリ菌を慢性便秘の幼児に与えると腸の運動が増加するという臨床治験データがあるように、 ロイテリ菌によって便秘の予防が期待できます。

  • L. r. プロテクティスによる入院中乳児の急性下痢の緩和
  • 急性下痢で入院した乳児に対するL.r.プロテクティスによる症状緩和

免疫力強化

健康な大人を対象とした研究で、被験者に28日間毎日L.ロイテリ菌を 摂取してもらい、小腸のCD4陽性Tリンパ球が増加したことが確認されました。

胃腸機能正常化

L.r.プロテクティス菌株による未熟児の胃腸機能正常化が期待できます。

ピロリ菌抑制

ヘリコバクター・ピロリ菌除去治療に伴う抗生物質の副作用を抑制します。またヘリコバクター・ピロリ菌感染値を減少させることが期待できます。

L.ロイテリ菌と胃酸を抑える薬を併用して摂取した場合と胃酸を抑える薬を摂取した場合の比較研究も行なわれています。これは消化不良のあるピロリ菌感染 者の大人を対象とした研究で、投薬治療中の30日間と治療後の4週間の効果を評価しました。その結果、L.ロイテリ菌を併用して摂取した被験者の60% (15人中9人)がピロリ菌を完全に根絶することができました。

乳児仙痛の緩和

乳児疝痛の乳児の号泣時間を減少させる効果があります。

感染症対策

腸内バリア機能が強化され、感染症にかかりにくなることが期待できます。

  • ロタウイルス感染をはじめとする腸内病原菌が原因で起こる水様性下痢の期間を減少させる。
  • 未熟児における細菌・真菌感染リスクを減少させる
  • 地域型感染症による病欠を減少(成人、子供ともに)させる。

虫歯の原因菌ミュータンス菌減少

ロイテリ菌入りのヨーグルトを使用した実験(2004年)

試験室において日本で市販されている18種類の発酵乳製品から分離したプロバイオティクスのスクリーニングを行なった結果、L. reuteri ATCC 55730のみがStreptococcus mutans の発育を抑制しました。

さらに、ラボ試験でL. reuteri は歯のエナメル質に対する有害作用がないことも検証されました。

L. reuteri ATCC 55730含有ストローまたはタブレットによる唾液Streptococcus mutans とLactobacilli 属の菌数変化(2006年)

被験者は無作為に30名ずつの4群に分けられ、

  • A群:L. reuteri ATCC 55730含有プロバイオティックストローで1日1回200mlの水を
  • B群:プラセボのストローで1日1回200mlの水を
  • C群:L. reuteri ATCC 55730含有タブレットを1日1回
  • D群:プラセボのタブレットをそれぞれ3週間摂取した

摂取前および最後の摂取の翌日に唾液のStreptococcus mutansLactobacilli 属の菌数をチェアサイドキットにて測定しました。

D群と比較してA、C群においてStreptococcus mutans の菌数が統計的に有意に減少した。Lactobacilli 属に関しては共に同様で顕著な傾向はみられませんでした。
 
結論:短期間のL. reuteri 含有ストローおよびタブレットの摂取により、若い成人の唾液中のStreptococcus mutans の菌数が減少しました。

ロイテリ菌 ATCC 55730はロイテリ菌DSM 17938の親株にあたります。プロバイオティクスとしての特性は保持されているとのことです。

アトピー性皮膚炎の改善

免疫系で働くサイトカインの産出を良い方向に調整し、アトピー性皮膚炎を改善することが期待されます。

菌概要

菌の名前
ロイテリ菌プロテクティス
菌の由来
利用時の菌の状態
  • 生菌
菌の強さ
期待される主な効果 この菌を使用するメーカー

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菌の効果は研究成果であり、菌を含む製品の効果・効能ではありません。

※医薬品、医薬部外品、特定保健用食品などの一部の製品には善玉菌による整腸作用などの保健効果がある製品があります。