スイスのハードチーズの製造などに使われる「プロピオン酸菌」の産生物質にはプレバイオティクス的な効果があり、腸内のビフィズス菌を増やしてくれます。
プロピオン酸菌による乳清発酵物質(DHNA)は特定保健食品の関与成分にもなっています。
オリゴ糖との違い
ビフィズス菌はブトウ糖などの糖質をエサにします。
オリゴ糖は消化酵素で分解されず、大腸まで到達し、主にビフィズス菌のエサ(エネルギー源)になるものです。
一方、プロピオン酸菌はACNQやDHNAといった物質を作り出し、これらがビフィズス菌の代謝を促すものと考えられています。
プレバイオティクスとして摂取する量としてはオリゴ糖は一日あたり2g〜十数g(オリゴ糖の種類よって違う)くらいの目安量ですが、
プロピオン酸菌産生物質(DHNA)は一日あたり数μg(1マイクログラムは100万分の1グラム)と、はるかに少ない量で効果を発揮します。
プロピオン酸菌産生物質の効果
- 糞便中のビフィズス菌の増加
- 腐敗物質の減少
- 便通改善機能(便秘の解消)
などの効果が期待されます。
潰瘍性大腸炎の予防・治療への応用
プロピオン酸産生物質によって、ビフィズス菌が増殖作用による悪玉菌の抑制および腐敗物質の減少、および炎症性サイトカインの抑制などの粘膜免疫系の改善により、潰瘍性大腸炎の予防・治療にも応用されています。
プレバイオティクスの効果は研究成果であり、プレバイオティクスを含む製品の効果・効能ではありません。
※医薬品、医薬部外品、特定保健用食品などの一部の製品にはプレバイオティクスによる整腸作用などの保健効果がある製品があります。