多くのプロバイオティクス製品が市場に出回っていますが、消費者庁によって効果が認めれているのは現在でも一部の菌と製品に限られています。
1991年から特定保健用食品が始まり、LGG乳酸菌を含む製品が最初の「乳酸菌トクホ」になって以来、数多くのトクホのヨーグルトや乳酸菌飲料が登場してきました。
2015年4月からは「機能性表示食品制度」というメーカーにとってより利用しやすい制度が運用され始め、この制度を利用した善玉菌関連の製品もいくつか登場してきています。
特定保健用食品の関与成分になっている善玉菌
乳酸菌・ビフィズス菌で特定保健用食品の関与成分になっているものを整理してみました。
整腸作用
「整腸作用」という保健効果から特定保健用食品の関与成分になっている菌、特定保健用食品の表示許可の認めている製品は数多くあります。
その表示許可は、大概、
腸内のビフィズス菌・乳酸菌の良い菌を増やして、腸内環境を改善し、おなかの調子をととのえる
と、いったものになります。
血圧降下作用
乳酸菌の作り出した物質にも「血圧を下げる」という保健効果から特定保健用食品の関与成分になっているものがあります。
このように善玉菌の作り出した物質による良い効果をバイオジェニックスと呼ぶこともあります。
ラクトトリペプチド(LTP)
乳酸菌が発酵過程で生み出すラクトトリペプチドには血圧を調整する働きがあり、特定保健用食品の関与成分になっています。
GABA
乳酸菌によって産生されるアミノ酸の一種であるGABAには血圧を下げる働きがあり、これも特定保健用食品の関与成分になっています。
特定保健用食品の関与成分になっている菌と製品
当サイトで紹介している菌で特定保健用食品の関与成分になっているものと、これまでにレビューしてきた特定保健用食品の製品をデータベースからピックアップしてみました。
同じシリーズの製品でももっともスタンダードなものしか特定保健用食品表示許可を得ていない場合も結構ありますね。
たとえば、ビヒダスプレーンヨーグルトは特定保健用食品ですが、その無脂肪バージョンはトクホではなかったりします。
菌の効果は研究成果であり、菌を含む製品の効果・効能ではありません。
※医薬品、医薬部外品、特定保健用食品などの一部の製品には善玉菌による整腸作用などの保健効果がある製品があります。
一般的なビフィズス菌に比べて、桁違いの生存率で腸に到達し、増殖。ポリアミンというアンチエイジング作用のある物質を大腸で作り出してくれる。整腸作用から特定保健用食品の関与成分にもなっている。
森永乳業が開発したビフィズス菌。多くの効果が確認され、世界30カ国以上に輸出される信頼・安心のビフィズス菌。
旧雪印乳業によって発見されたビフィズス菌。生きたまま腸に到達する。特定保健用食品の関与成分にもなっている。
ヤクルトが世界に誇る乳酸菌。長い歴史を持つ。整腸作用以外にも様々な効果が確認されている。もちろん特定保健用食品の関与成分になっている。
世界50カ国以上で利用される菌。腸管への付着性が強いのが特徴。免疫調整機能など多くの効果が確認されている。乳酸菌のトクホの歴史はこの菌から始まった。
世界的に利用される信頼性の高いビフィズス菌。整腸作用から特定保健用食品の関与成分にもなっている。
生きたまま腸に到達する。腸内環境が改善されれば美肌効果も期待できる。特定保健用食品の関与成分になっている。(整腸作用)
ブルガリアから定期的に取り寄せられている菌。整腸作用がある。特定保健用食品の関与成分。
摂取後90日後にも検出されるというデータもある、定着性の非常に高い菌。もっとも定着性の高いプロバイオティクスといってもよいかもしれない。内臓脂肪低減作用も期待できる。トクホ・機能性表示食品の関与成分になっている。
デンマークからやってきたビフィズス菌。整腸作用が期待できる。特定保健用食品の関与成分にもなっている。
納豆菌Bacillus subtilis OUV23481によって産生されるビタミンKによって骨タンパク質(オステカカルシン)の働きが高まり、骨の形成が促進される。バイオジェニックス
ラクトトリペプチド(LTP)を生成する能力の高い乳酸菌。CM4株によって産生されたラクトトリペプチドは特定保健用食品の関与成分になっている。
機能性表示食品
「機能性表示食品」制度は2015年4月から開始されました。
特定保健用食品制度との違いは消費者庁の審査を受けてなくても良いという点です。
しっかりとした科学的根拠があればパッケージや宣伝に製品の「機能性」を表記するようにできるようになったわけです。
整腸作用
機能性表示食品制度を利用して、整腸作用をうたう製品が登場してきました。
内臓脂肪の低減
内臓脂肪を低減する効果のある製品も登場してきました
機能性表示食品の関与成分になっている菌と製品
機能性表示食品になっている菌と製品を当サイトのデータベースからピックアップしました。製品はこれまでに当サイトでレビューしたものになります。
菌の効果は研究成果であり、菌を含む製品の効果・効能ではありません。
※医薬品、医薬部外品、特定保健用食品などの一部の製品には善玉菌による整腸作用などの保健効果がある製品があります。
グリコによってヒトから発見されたビフィズス菌。腸まで生きて届いてさらに増殖する。増殖も早いのが特徴。機能性表示食品の関与成分にもなっている。
ダノンが世界70カ国に展開するビフィズス菌BE80株。高い生存率で腸に到達する。「おなかの不快感をやわらげる」という効果から機能性表示食品になった。
家森博士が長寿の多いコーカサス地方から持ち帰ったカスピ海ヨーグルトを作り出す菌。様々な効果が確認されている。家庭でも培養できる。
ヤクルト社によって「胃」で活躍するために開発されたビフィズス菌。胃の機能を回復、ストレス軽減、ピロリ菌抑制作用など、他のビフィズス菌とは一線を画す効果を期待できる。
植物由来の乳酸菌の代名詞的な菌。生きたまま腸に届き、免疫力強化、インフルエンザ予防なども期待できる。整腸作用から機能性表示食品の関与成分にもなった
摂取後90日後にも検出されるというデータもある、定着性の非常に高い菌。もっとも定着性の高いプロバイオティクスといってもよいかもしれない。内臓脂肪低減作用も期待できる。トクホ・機能性表示食品の関与成分になっている。
粉砕された乳酸菌CP1563株の菌体が体脂肪の燃焼させる因子を活性化する。機能性表示食品の関与成分。
腸内フローラと肥満の関係に着目して発見されたビフィズス菌B-3。体脂肪の低減などの効果が期待される。
殺菌済みの菌でも、整腸作用と抗ストレス作用、睡眠の質の改善の効果が確認されたガセリ菌。バイオジェニックス。
ニュージーランドからやってきたビフィズス菌。ナチュラルキラー細胞の活性を2倍にするというデータもある。
バイオガイア社のロイテリ菌。世界的に多くの実績を持つ。
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機能性表示食品制度を利用した製品は今後どんどん増えると思います。