乳酸菌B240

乳酸菌B240は、1986年にタイ北部で古くから食べられている発酵茶「ミヤン(miang)」から見つかった乳酸菌です。

茶葉から発見されたということですので、乳酸菌B240は植物性乳酸菌といえるでしょう。

研究・開発を行っている大塚製薬から公表されている乳酸菌B240の研究成果を見てみるとこの菌が生きたまま腸に届くといった記述はないようです。

このことから乳酸菌B240の菌の生き死にはあまり重要でなく、その菌体自体に効果の期待できる善玉菌であることが推測されます。

乳酸菌B240の摂取目安量は一日あたり20億個以上、摂取後4週間目以降で効果を発揮してくれそうです。

タンパク質と一緒に摂取することがオススメされている乳酸菌です。

免疫物質IgAを増加させる乳酸菌B240

敵の侵入を防ごうと働く粘膜免疫ですが、乳酸菌B240は粘膜面で主体的に活躍している免疫物質「IgA」抗体を増加せさせます。

「IgA」抗体は、侵入してきたウイルスなどの病原体にくっついて、無力化するように働く免疫物質です。

IgAが低くなると、風邪にかかりやすくなったり、疲労感も高くなります。

乳酸菌B240がIgAを増加させるメカニズム

口から摂取された乳酸菌B240は小腸に到達し、M細胞から取り込まれ、樹状細胞を刺激し、B細胞が反応し、抗体産生細胞に分化、そして抗体産生細胞がIgAを生み出します。

その効果は小腸のみにとどまらず、口腔や肺などの粘膜においてもIgAの産生を高めます。

乳酸菌B240は全身の粘膜免疫機能を高めてくれるのです。

乳酸菌B240の効果・効能

風邪の予防効果

65歳以上の男女300人の高齢者を

  • 乳酸菌B240が20億個入った錠剤を飲んだグループ
  • 乳酸菌B240が200億個入った錠剤を飲んだグループ
  • 乳酸菌B240が入っていない錠剤を飲んだグループ

の3つのグループにわけ、それぞれ毎朝食時に20週間摂ってもらいました。

試験期間中は他の乳酸菌の効果を排除するため、ヨーグルトや漬け物など、乳酸菌入りの食品を食べないようにしてもらいました。

さらに、「鼻水」「咳」「頭痛」など、12項目の風邪症状の有無や強さなどについて、体調日誌をつけてもらいました。

その日誌の内容を感染症の専門医が分析したところ、IgA分泌量の増加する摂取後4週間目以降に、風邪にかかる人の割合に差が出始めました。

20週間後風邪と判定されたひとの割合は

  • 乳酸菌B240が20億個入った錠剤を飲んだグループ→34.8%
  • 乳酸菌B240が200億個入った錠剤を飲んだグループ→29%
  • 乳酸菌B240が入っていない錠剤を飲んだグループ→47.3%

となり、乳酸菌B240を多く摂るほど、風邪予防効果が高まることがわかりました。

生活の質(QOL:Quality Of Life)の向上

試験の前後で生活の質の変化を自己評価してもらったところ、乳酸菌B240を摂った群は乳酸菌なしの群に比べ、「全体的な健康感」も上がっていました。

乳酸菌B240とタンパク質を同時に取るとIgAの分泌量がさらに高まることも分かりつつあります。

食中毒の抑制

マウスに乳酸菌B240を与え、食中毒性のサルモネラ(S. Typhimurium)を接種したところ、有意に感染から守られ、各臓器へのサルモネラの移行も少ない傾向が見られました。

インフルエンザ抑制

動物を使った実験では2009年に世界的に流行した新型インフルエンザの原因ウイルスである「A(H1N1)pdm」の感染防御効果も確認されました。肺で抗ウイルス遺伝子や免疫物質IL-5が有意に上昇することが分かりました。

また、マウスの気管支の肺胞で、免疫物質IgAが有意に上昇することも確認されました。

肺炎の抑制

動物を使った研究では、肺炎球菌感染の3週間前から乳酸菌B240を与えることによって生存期間が延長し、肺における肺炎球菌数も有意に抑えられました。

これらの結果から、日常的に乳酸菌B240をとっておけば、風邪以外の感染症に対しても予防効果が期待できるかもしれません。

菌概要

菌の名前
乳酸菌B240
菌の由来
利用時の菌の状態- 菌の強さ-
期待される主な効果 この菌を使用するメーカー

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菌の効果は研究成果であり、菌を含む製品の効果・効能ではありません。

※医薬品、医薬部外品、特定保健用食品などの一部の製品には善玉菌による整腸作用などの保健効果がある製品があります。