乳酸菌L-137はアジアの伝統的な食品である『なれずし』から、ハウス食品によって発見された乳酸菌です。
ラクトバチルス・プランタラムという乳酸菌の種類の属します。
乳酸菌L-137は加熱殺菌して用いられるため、Heat Killed の頭文字とあわせて『HK L-137』と名付けられました。
乳酸菌L-137は最も良い状態で加熱殺菌することにより、生きた菌よりも安定した強い作用を維持することがわかりました。
このように菌体や菌の作り出した物質による良い効果はプロバイオティクスではなくバイオジェニックスと呼ばれることもあります。
加熱殺菌して用いられる菌は生きた菌に比べて、
- 品質が安定し、消費期限が長い
- 商品のバリエーションを増やすことができる
などのメリットもあります。
乳酸菌L-137の効果
インフルエンザ感染防御効果
HK L-137は、マクロファージや樹状細胞のTh1型サイトカインの産生を促進します。
このサイトカインが司るTh1型免疫は、ウイルスの感染防御に対して中心的に働く免疫です。HK L-137は、Th1型免疫の増強作用を有するため、ウイルス感染防御効果が期待されました。
インフルエンザウイルスの減少、生存期間の延長
致死量の強毒性インフルエンザに感染マウスに乳酸菌L-137を経口投与し、インフルエンザ感染に対する有効性を評価しました。
その結果、乳酸菌L-137投与したグループでは、ウイルスや細菌などの感染に対する初期防御において非常に重要なサイトカインであるIFN- βが盛んに分泌され、肺のウイルス数が大幅に減少しており、生存期間も延長しました。
乳酸菌L-137を摂取しなかったマウスのグループでは、血清中にIFN-βが検出されませんでしたが、 乳酸菌L-137投与したグループでは高い値を示しました。
ヒトのIFN-β血中濃度上昇効果
マウスを使った実験ではIFN- βの上昇が確認されていましたが、ヒトを対象にした実験でもIFN- βの上昇が確認されました。
健常女性を被験者とし、乳酸菌L-137を10 mg含む錠剤を8名に、対照として含まない錠剤を8名に、1日1粒8週間摂取していただき、血中のIFN-β濃度を測定しました。
なお、被験者は摂取期間中の4週目と6週目にインフルエンザワクチンの接種を受けました。
対照群では、摂取期間を通して8名中6名の血中IFN-β濃度が検出限界以下で、上昇した人が1名、低下した人が1名でした。
一方で、HK L-137摂取群では摂取開始4週目から8名中6名にIFN-β濃度の上昇が認められ、摂取期間中その濃度は維持されていました。
風邪予防効果
免疫の働きが低下しやすい、精神的ストレスを強く感じている健常者(男性33名、女性45名)を対象に臨床試験を行いました。
乳酸菌L-137を10mg、12週間摂取したグループは、摂取しなかったグループに比べて免疫細胞の一種であるT細胞の増殖能が高まり、風邪薬の服用日数も減少しました。
歯周病改善効果
乳酸菌L-137を10mg含むカプセルを19名に、対照として含まないカプセルを20名に、1日1粒、12週間摂取してもらったところ、乳酸菌L-137株を摂取したグループでは歯周ポケットが優位に改善しました。
これは、乳酸菌L-137の摂取によって免疫力が高まったことで、歯周組織の抵抗力や再生力が高まったためと考えられます。
QOL(Quality of Life:生活の質)の改善
被験者は40歳以上の健常な男女60名として、乳酸菌L-137を10mg含むカプセルを30名に、対照としてHK L-137を含まないカプセルを30名に、1日1個、12週間摂取してもらい、身体的事項及び精神的事項に関する26項目の質問に対する回答を調査したところ、
乳酸菌L-137を摂取したグループでは摂取8週目からQOLの上昇が認められました。
乳酸菌L-137群では、乳酸菌L-137摂取4週目から免疫力の上昇(T細胞増殖能の上昇、Th1/Th2比の上昇)が認められ、試験終了まで維持されていました。
QOLの向上は摂取8週目から認められていることから、乳酸菌L-137の摂取による免疫力の上昇が、QOLの向上に寄与したものと考えられました。
菌概要
菌の名前 | 乳酸菌L-137(HK L-137) |
菌の由来 | - |
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利用時の菌の状態 |
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菌の強さ | |
期待される主な効果 | この菌を使用するメーカー |
菌の効果は研究成果であり、菌を含む製品の効果・効能ではありません。
※医薬品、医薬部外品、特定保健用食品などの一部の製品には善玉菌による整腸作用などの保健効果がある製品があります。