2018年現在、「普通のスーパー」で買えるカスピ海ヨーグルトといえば、
の2種類になるかと思います。
フジッコのカスピ海ヨーグルトは北海道産の生乳が100%使用されています。
一方、グリコのカスピ海ヨーグルトは生乳が63%使用されています。それに乳製品が加えられ、乳成分が高められた濃厚なミルクで「ねっと~り製法」によって発酵されています。
どちらも砂糖・香料を使用していません。
カスピ海ヨーグルト 成分比較
フジッコ カスピ海ヨーグルト | おいしいカスピ海 生乳たっぷり | |
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内容量 | 400g | 400g |
原材料 | 生乳 | 生乳、乳製品、乳たんぱく(一部に乳製品を含む) |
無脂乳固形分/乳脂肪分 | 無脂乳固形分8% 乳脂肪分2.5% | 無脂乳固形分9.6% 乳脂肪分2.7% |
エネルギー | 66kcal | 67kcal |
タンパク質 | 3.6g | 4.6g |
脂質 | 3.7g | 3.0g |
炭水化物 | 4.6g | 5.5g |
カルシウム | 111mg | 151mg |
食塩相当量 | 0.1g | 0.12g |
成分的には高タンパクで脂肪分の少ないおいしいカスピ海 生乳たっぷりのほうがヘルシーなように感じられます。
カルシウムの量に関しても圧倒的においしいカスピ海 生乳たっぷりの勝利です。
味の比較
カスピ海ヨーグルトの特徴はクレモリス菌の作り出す菌体外多糖(EPS)による「とろみ」「ネバネバ」です。
酸味がマイルドなこともカスピ海ヨーグルトの特徴です。
一般的なヨーグルトはブルガリア菌とサーモフィラス菌の協働によって発酵され独特のさわやかな風味が醸し出されますが、菌種の違うカスピ海ヨーグルトにはもちろんこれもありません。
どちらの製品もこういったカスピ海ヨーグルトの特徴を備えていますが、グリコのカスピ海ヨーグルトのほうが独自の味わいがあるように感じました。
グリコ社はチーズ臭を減らすためにサーモフィラス乳酸菌を同時発酵させるという特許製法を採用しているとのことですが、開封してから時間が経ってたいたものを食べたせいか結構チーズの風味が感じられました。
温度によっても風味の感じ方は変わってくるので、冷蔵庫から出してすぐに食べるのと、ちょっと温度が上がってから食べたりするのとでは、また違った印象を受けるかもしれません。
菌の比較
どちらの製品もクレモリス菌を使用していることは共通していますが、「菌株」が違います。
フジッコは家森博士が長寿の多いコーカサス地方から持ち帰ったというエピソードがあるクレモリス菌FC株、
一方、グリコはクレモリス菌乳酸菌CHCC2907株を使用しています。
菌の種類 | クレモリスFC株(フジッコ) | クレモリス菌乳酸菌CHCC2907株 |
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菌の由来 | 家森博士がコーカサス地方から日本に持ち帰った | - |
菌の強さ | 生きたまま腸に到達する | - |
菌の特徴・効果 |
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菌の「研究成果」に着目してみると、クレモリス菌FC株には非常に多くの効果が確認されているようですね。またクレモリス菌FC株が配合された乳酸菌サプリメント『善玉菌のチカラ』も2007年以来販売されており、クレモリス菌FC株は知名度も高いです。
2018年には『善玉菌のチカラ』はクレモリス菌FC株を関与成分として「お通じを改善する」作用から機能性表示食品になったことも見逃せません。
一方、クレモリス菌乳酸菌CHCC2907株の具体的な研究成果はグリコ社のサイトなどでは公表されていないようです。
(※菌のあくまで研究成果であり、製品の効果ではありません。)
以前は「おいしいカスピ海」はGCL1176株という菌が使用されているとされていましたが、現在ではクレモリス菌乳酸菌CHCC2907株、サーモフィラス菌の2種類の菌がブレンドされているとグリコ社の公式ページにも書かれています。
クレモリス菌GCL1176株とは
整腸作用
25~38歳の成人に、GCL1176株で発酵させたヨーグルトを毎日100g、4週間摂取してもらい、毎日の排便回数や便の量を調査したところ、摂取前に比べて排便回数と便の量が増え、排便習慣が改善することが確認されました。
コレステロール低下作用
外因性のコレステロール値上昇は、食事など体外から摂取したもので上がるケース。
一方、内因性のコレステロール値上昇はは、体内の 代謝バランスが崩れることによって血清コレステロール濃度が上がるケースです。
外因性のコレステロール値上昇
マウスに高コレステロールの飼料を与えると、血清コレステロール濃度が著しく上昇します。このとき、飼料に5%のGCL1176株の粉末を加える と、血清コレステロール濃度の上昇は緩やかになります。
内因性のコレステロール値上昇
ガンによって体内の代謝バランスを崩しているマウスに、GCL1176株の粉末を加えた飼料を2週間与えてみると、与えなかったマウスに比べて、血清コレステロールの値が低くなっていることが分かりました。
GCL1176株は、中性コレステロールや総胆汁酸の排出を促進することによって血清コレステロール濃度を低下させる効果があると考えられます。
アレルギー緩和作用
GCL1176株が生成する多糖体が、アレルギー症状を緩和することも実験で明らかにされています。
アレルギー症状を持つマウスにGCL1176株の生成した多糖体を投与すると、与えなかったマウスに比べて、血液中のIgE抗体の濃度の上昇が抑えられます。
IgE抗体はアレルギー反応が起こる上で大変重要な働きをする抗体で、その濃度が高いほどアレルギー症状が出やすい傾向があるといわれるものです。
どちらがいいか
どちらも成分や発酵などにもこだわったとてもおいしい製品です。
両方買って、食べ比べてみてください。