明治ブルガリアヨーグルト 脂肪0
今から100年以上前、プロバイオティクスの概念を着想したロシアの微生物学者イリヤ・メチニコフ博士はブルガリアには長寿の人が多いと聞き、その理由はブルガリアでよく食べられている「ブルガリアのヨーグルト」にあると考えました。
そして博士自身も不老長寿を目指してヨーグルトを食べました。
彼は当時から多量の乳脂肪は体によくないので、無脂肪乳でヨーグルトを作るべきだと主張していました。
もし19世紀のロシアに、
- 「明治ブルガリアヨーグルトヨーグルトプレーン(特定保健用食品)」
- 「明治ブルガリアヨーグルト 脂肪0(特定保健用食品ではない)」
この2つのヨーグルトが存在していたとしたら、メチニコフ博士は後者(本製品)を選択していたに違いありません。
キャッチコピーは「ヨーグルトの正統」ではなく「そのまま食べてもおいしい」
明治ブルガリアヨーグルトのキャッチコピーは「ヨーグルトの正統」ですが、脂肪0タイプの本製品は原材料的に「ヨーグルトの正統」といえないためか、この製品にはこのキャッチコピーは書いてありません。
製造方法に「まろやか丹念発酵」を採用している点では同じです。
明治ブルガリアヨーグルト脂肪0に含まれる菌
菌の名前 | 菌の状態 | 菌の強さ | 菌の由来 |
---|---|---|---|
ブルガリア菌2038株 | 生菌 | - | 本場ブルガリアから輸入 |
サーモフィラス菌1131株 | 生菌 | - | 本場ブルガリアから輸入 |
明治ブルガリアヨーグルトに含まれる菌はLB81乳酸菌はLactobacillusの「LB」とブルガリア菌2038株とサーモフィラス菌1131株の末尾の「8」、「1」を組み合わせ命名されています。
つまり、2つの菌を合わせてLB81菌と呼んでいるわけです。
菌数は「明治ブルガリアヨーグルト」と同等ということなので、本製品にも100gあたり110億個程度のLB81乳酸菌が含まれていると考えて良さそうです。
ブルガリア菌とサーモフィラス菌はヨーグルトを作るのにもっとも典型的な菌です。
共生関係にあるこの2つの菌によって、発酵が早まり、独特の風味が醸しだされます。
LB81乳酸菌は必ずしも生きたまま腸に届く必要はない?
パッケージや公式サイトにはLB81乳酸菌が『生きたまま腸に届く』といったキャッチコピーは見受けられません。
これはLB81乳酸菌が胃酸などで全滅してしまうということを意味するわけではなく、乳酸菌LB81株の生き死にかかわらず効果が期待できると解釈すべきでしょう。
死んでしまった乳酸菌にも良い効果があることは100年以上前からわかっていました。
このような善玉菌の菌体自体による良い効果はプロバイオティクスではなく、バイオジェニックスと呼ばれることもあります。
明治ブルガリアヨーグルト脂肪0の味・風味
「まろやか丹念発酵」という脱酸素低温発酵技術によって、爽やかでまろやかな食感に仕上がっています。
明治ブルガリアヨーグルトプレーンよりも脂肪0のためか、あっさりしています。
酸味も強くないため「そのまま食べても」十分においしいです。
2019年にはリニューアルされて、なめらかさがアップしました。
明治ブルガリアヨーグルト脂肪0の効果
「明治ブルガリアヨーグルトプレーン」はLB81乳酸菌の整腸作用により特定保健用食品(トクホ)になっていますが、脂肪0バージョンの本製品はトクホは取得していません。
この製品が特定保健用食品ではないのはトクホの許可を申請していないからであって、その気になればトクホを取得できるヨーグルトだと思われます。(トクホの取得には手間・費用・時間がかかる)
トクホを取得していませんが、「明治ブルガリアヨーグルトプレーン」には整腸作用があるので、同等の菌数のLB81乳酸菌を含み、しかも脂肪ゼロバージョンの本製品にも同様に整腸作用があると思うのが普通でしょう。
ヘルシーさという観点から脂肪0の本製品のほうがオススメです。
LB81乳酸菌の効果
便の質の改善
善玉菌であるビフィズス菌を増やし、悪玉菌クロストリジウムを減少させることによって、便の質の改善や排便の回数の増加などが確認されています。
便秘の改善
便秘気味の人にLB81株を含むヨーグルトを摂取してもらったところ、排便の回数や便の質の改善が確認されました。
皮膚機能の改善
慢性的便秘の20~39歳の女性にLB81株を含むヨーグルトを1日2回120mlずつ、4週間にわたって摂取してもらったところ、皮膚の弾力性、感想、鱗屑の程度が改善されました。
便秘の改善が肌の機能改善につながったと考えられます。
腸管バリアシステムの強化
LB81乳酸菌は、ムチンなどいくつかの成分で構成されているこの腸管バリアの中でも、特に重要と考えられる「抗菌ペプチド」という成分を増やすことで、腸管バリアの機能を高めることが研究からわかってきました。
※腸管バリアとは400平方メートルにもなる腸管粘膜を病原菌や消化液などから守るシステムで、腸管バリアシステムがダメージを受けると感染症などにかかるリスクが高まります。
免疫細胞に働きかける作用
LB81乳酸菌は、腸内の免疫細胞にも働きかけていることが確認されました。
(※菌の効果はあくまで『研究成果』であり、本製品の効果ではありません。)
明治ブルガリアヨーグルトと明治ブルガリアヨーグルト脂肪ゼロとの違いを比較
通常版ブルガリアヨーグルト |
ブルガリアヨーグルト脂肪ゼロ |
|
---|---|---|
使用される菌 | LB81菌が100gあたり110億個以上 | 通常版ブルガリアヨーグルトとほぼ同数 |
分類 |
整腸作用の期待できる特定保健用食品 |
普通の食品(健康食品) |
内容量 | 400g | 400g |
原材料/組成 |
生乳、乳酸菌/無脂乳固形分:9.5%、乳脂肪分:3.0% |
乳酸菌、乳タンパク質/無脂乳固形分:10.4%、乳脂肪分:0.2% |
成分 |
100gあたり カロリー:62kcal タンパク質:3.4g 脂質:3.0g 炭水化物:5.3g 食塩相当量:0.13g カルシウム:109mg |
100gあたり カロリー:40kcal タンパク質:4.1g 脂質:0g 炭水化物:5.9g 食塩相当量:0.12g カルシウム:121mg |
『明治ブルガリアヨーグルト脂肪ゼロ』は、
- 低カロリー
- 低脂質
- 高タンパク
なヘルシーなヨーグルトになっています。
一方、『通常版の明治ブルガリアヨーグルト』は、
- コクがあり美味しい
- 特定保健用食品の表示許可を取得している
という点で魅力的なヨーグルトになっています。
入手方法
多くのスーパーに「明治ブルガリアヨーグルト脂肪0」がおいてあると思います。
手に入りやすいヨーグルトです。